父親が癌
家出後、3年たったある日。
母親から手紙がきた。
父親が癌になった。
今すぐ帰るようにと。
迷ったが、家に戻る事を決意。
家に戻ると、すぐさま母親に言われた。
父親が癌になったのは、あんたのせいだ。
心が壊れそうになったのを覚えている。
それから、父親は癌治療をしていたが
あまり病院へは行かず、話もあまりしていなかった。
相変わらず母親からの嫌味や愚痴を毎日、嫌になるくらいあびせられた。
私はパチンコ屋の店員をしていた。
家出の3年間は、賄いが出る飲食店で働いていたが、実家に帰ったので、給料がいいパチンコ屋の店員になったのだ。
しかし、飲食店で働いているときは大変だったが楽しかった。
私が作る料理を人が幸せそうに食べている。
ある日、いつものように厨房で作っていると
1人の70代くらいの男性が声をかけてきた。
怒られるっ料理が不味かったのかなっていつもの思考回路で身構えた。
その男性は、この料理を作ったのは誰か?
と言われたので私です…と小さい声で答えた。
本当に美味しかった!ありがとう!
また来るよ。
びっくりした。怒られると思ってた。
気づいた時には涙が止まらなかった。
人に褒められたのは初めてだった。
人に認められたのは初めてだった。
自信がなく、人の顔色ばかり伺っていきてきた
私は人生で初めて感動と嬉しさを感じた。